うちの子、言っても言っても食事のマナーが身につかないんだけど…。いい伝え方はある?
しっかりとした食事のマナーは食事以外の時間に絵本などを通して伝え、食事中はたくさん褒めてあげることをおすすめします!
食事中、子どもがに立ち歩いたり、姿勢が悪かったり…。食事のマナーが身につかないままでは、子どもがいつか恥ずかしい思いをしてしまうのではないか…と心配になりますよね。そして、つい何回もイライラ口調の伝え方をしてしまう。
何回も言ってるのにどうして直らないの!?って思いますよね…。
しかし、食事中に注意ばかりしていると、子どもにとって「食事=注意される時間」となってしまい、あまりよくありません…。食事の時間は、「楽しい時間」と認識してもらえるよう、伝え方を工夫してみましょう♪
本記事では保育士である私が、食事のマナーの伝え方について園で心掛けていることや、伝える際におすすめの絵本などをお伝えしていきます。
「子どもがごはんを食べない!保育士が園で行っている関わり方を紹介」では子どもがごはんを食べないときの関わり方も詳しく紹介しています!
【食事のマナー】子どもへの伝え方で保育士が心掛けていること
守ってほしい食事のマナーは、年齢や個々の子どもの姿によって異なってきます。しかし、伝え方について私が心掛けていることは、どの年齢も同じ!私が心掛けていることは、以下の3点です。
食事のマナーの伝え方で心掛けていること3点
- 個々の姿に合わせる
- とにかく褒めて褒めて褒めまくる!
- 食事のマナーやルールは食事前に伝えておく
それでは、これら3点についてそれぞれ詳しくお伝えしていきます。
個々の姿に合わせる
守りたい食事のマナーは、「この子は〇歳だから、○○を守れるようになるべき!」というように、年齢で区切られるものではありません。年齢にかかわらず、個々の姿に合わせて、今どのようなことを身につけたいか、身につけられそうかを意識しながら伝えています。
例えば、同じ年齢でも、すでに箸を上手に持てるようになっている子と、持てるようになったばかりの子がいたりしますよね。箸を持てるようになったばかりで、まだ動かし方がたどたどしい子に、「お箸でごはん粒を集めてみよう!」と言っても無理な話です。
せっかく箸を持てるようになって、うれしい!頑張ろう!とやる気になっているところに、まだできないことを要求される…。すると、子どもはこのように感じてしまいます。
やっぱり私ってお箸を持つのが下手なんだ…。お箸って難しい!もうお箸使うの嫌だな…。
このように感じさせてしまうのは、せっかくそれまでやる気になっていた気持ちがもったいないですよね…。
上記のたとえは、比較的イメージしやすいもの挙げてみました。しかし、しつけをしなくちゃ!という親心から、気づかないところで必要以上に求めてしまっている部分があるかもしれません。
一度に何もかも気を付ける、というのも子どもには難しいことです。まずは子どもに何を身につけてもらいたいか、何が身につけられそうかを、改めて考えてみましょう!
お子さんの年齢がある程度大きい場合は、お子さんと一緒に何を頑張るか話し合ってみるのもいいかもしれませんね♪
とにかく褒めて褒めて褒めまくる!
なにはともあれ、食事中に私が1番大切にしていること、それは…
楽しく食事をすること!
そのため、食事中は褒めて褒めて褒めまくります!褒めるときのポイントは以下の4点です。
周りのできている子を褒めることで、「自分も!」と、自然になるのが”保育園マジック”です♪家庭では、兄弟でも応用できるかもしれませんね!いや、兄弟の場合は「お兄ちゃん(弟)ばっかり褒めて~~!(怒)」となる可能性もあるので注意してください(笑)
家庭では保育園マジックが確実に使えるわけではないので、注意することも必要になってくると思います。しかし、注意する回数よりも褒める回数を多くする!ということだけは、意識してみてくださいね。
褒めるときは、より具体的に!
かっこいいね~!
お皿しっかり持って食べてるじゃん!かっこい~い!
ついついできていないところばかり目がいってしまいがちですが、お子さんの素敵な姿を逃さずに、たくさん褒めてあげてくださいね♪
食事のマナーやルールは食事前に伝えておく
食事のマナーやルールは、食事中ではなく食事をとる前に、約束事として伝えたり、絵本を読んで確認したりしています。
これは、”園だから”という部分がとても大きいのではないかと思います。お友だちのいる前で注意されるのって嫌ですよね…。食事の場面に限ったことではありませんが、大勢の前で個人に対して注意することはあまりしません。必要な場合は、個人に対してひっそりと伝えます…(笑)
前項でもお伝えしましたが、食事中は
できていない子を注意するよりも、できている子を褒める!
そうすることで周りの子も「自分も!」となります。
事前にルールやマナーを伝えておけば、「自分も!」となったときに、具体的に何を気を付ければいいのかがわかる、というわけです。
また、「お皿ってどうやって持つか覚えてる?」「お皿の位置はこことここ、どっちが正しいでしょう?」などと、考えたり事前に伝えた内容を振り返ったりする機会を多くあたえることで、ルールやマナーが早く身についていきますよ♪
食事のマナーは子どもにいつから伝えるべき?
うちの子はまだ年齢が小さいんだけど…。食事のマナーっていつから伝えればいいの?
食事のマナーについて、いつから子どもに伝えていけばいいか、という明確な決まりはありませんよ!
小さいうちからできることを!”自然に身につく”のが理想
食事のマナーは年齢が小さいうちからできることを行い、”自然に身についていく”というのが理想です。
たとえば、「いただきます」や「ごちそうさま」の挨拶。離乳食が始まったときから親がやって見せていくことで、1歳頃になると自然に赤ちゃんも、一緒に手を合わせるようになりますよね♪
お皿やスプーン・フォークの持ち方、姿勢などについても、子どもの姿を見ながら無理なく、できることをやって身につけていきましょう!
3~4歳では食事のマナーを絵本などを通して伝えていく
3~4歳ぐらいからは、絵本などを通して本格的に食事のマナーを伝えていくといいかと思います。
その子がそれらのマナーをできる、できないにかかわらずです!たとえ今ごはん粒を自分で集められなかったとしても、
- 1粒残さず最後まで食べるのがマナーだということ
- ごはん1粒のありがたみ、感謝の気持ち
などは、3,4歳ぐらいまでには絵本を読んだり、あなたが体現したりしていくことで伝えていきたいところですよね。
食事のマナーは、食事中以外の時間で伝えていくのがおすすめです!
食事直前に子どもと確認するのもよし!夜寝る前に絵本で伝えるのもよし!です。
そして食事中は、できている部分に目を向けたくさん褒めてあげましょう♪もちろん、食事中に「○○しようね」と注意してはいけない、というわけではありません。食事中、「注意<褒める」となるために、食事中以外の時間にも食事のマナーを伝えていくのです。
また、定期的に絵本を読み返して「これ、できるようになってきたよね♪」「次は何を頑張りたい?」と子どもと話し合うのもおすすめですよ!
食事のマナーを伝えるのに”遅い”ということはない!
食事のマナーについて、今まであまり伝えてこなかったわ…。うちの子、もう小学生だけど…。
前項でもお伝えした通り、食事のマナーを伝えるのに、いつからがいいという答えはありません!もう年齢的に大きいお子さんだとしても、”もう遅い”ということは決してないのです。
大きいお子さんの場合は、
- 渡し箸、ねぶり箸などのお箸のマナー
- 持つお皿と持たないお皿
- 他国の意外なマナー
などを確認したり調べたりし、知的好奇心を高めながら食事のマナーに目を向けられるよう関わっていくのがおすすめですよ♪
子どもに食事のマナーを伝えるおすすめ絵本
本項では、食事のマナーを伝えてくれる絵本を紹介していきます!
ここで紹介している絵本は”食事のマナー”に特化したものばかりです。食事のマナーを確認するための絵本であって、物語を楽しみながら読む絵本とは少し違う、ということだけ事前にお伝えしておきますね。
あかね書房:いただきますのおやくそくだもの
きだに やすのりさん作、わたなべ あやさん絵の絵本です。1歳半ぐらいからであれば、楽しみながら食事のマナーについて学べます♪
小さい子ども向けの、食事のマナーを伝える絵本って、探してもなかなかないんですよね…!
ありそうでなかった!見つけた時には大興奮でした!
食事の前に手を洗うこと、前を向いて食べること、残さず食べることなどのようなマナーを、かわいいキャラクターが優しく伝えてくれる絵本です。ママの声掛けの参考にもなるはずですよ♪
あすなろ書房:テーブルマナーの絵本
髙野 紀子さん作、絵の絵本です。
文章は割と細かくて、ふりがな無しの漢字が多く使われているため、大人が読んであげることが必須です。しかし、絵がとてもきれいであたたかく、図鑑的な要素も持っているので、子どもだけなら絵を見ているだけでも楽しめるかもしれません♪
一番のおすすめポイントはやはり内容!基本的な食事のマナーだけではなく、外食のマナー、よそのお宅へ遊びにいった時のマナー、そして旬の野菜や季節のお菓子などものっているのです。日頃注意していることも、してはいけない理由がしっかり書かれているため、お子さんに伝えやすくなること間違いなし!
大人の私も、勉強になることがたくさん!会食の前には改めて目を通しておこうと思っている代物です(笑)
食に関する様々な知識や感性を養える絵本なので、いつでも読めるよう、手元に置いておくことをおすすめします♪
ナツメ社:せいかつの絵じてん
内野 美穂さんが監修した絵本です。
私が、図書館で見つけて一目ぼれし、即購入した絵本です!
「食べる」「きる」「くらす」「くらしを楽しむ」の4つのテーマの内容が、絵を用いてわかりやすくかかれています。食事のマナーについては、「食べる」の部分にかかれていますよ♪
前項で紹介した「テーブルマナーの絵本」と比べると内容は少ないかもしれませんが、それでも十分!食べるときの姿勢、食器の持ち方、お箸のマナーなどのような基本的なマナーの他に、
- 旬の食べ物
- 行事ごとの料理
- 地域や外国の料理
- 料理の作り方まで…
完全に網羅されていますよね♪この絵本には、食事以外にも
- 服の種類や扱い方
- トイレ・お風呂などの使い方
- ごみの分別や減らし方
- 災害や防犯
など、様々な内容がわかりやすくかかれています。漢字にはふりがながついているので、我が家の5歳の娘も自分で問題なく読めていますよ♪
1日1ページと決めて読んでみるのもおすすめです!
【食事のマナー】伝え方次第で子どもの"守りたい"意欲が育つ!
食事は毎日3回、1年で考えるとなんと1,095回もあるのです。子どもにとってのその1,095回が、笑顔あふれるものとなれば、あなたも幸せですよね!
伝え方を工夫しても、すぐに食事のマナーが身につくかといえば、それは難しいと思います。しかし、たくさん褒められることで少しずつ、食事のマナーを守りたい!知りたい!という気持ちが高まっていきますよ♪
ぜひ絵本を通して、親子共々食に関する知識や感性を養ってみてはいかがでしょう?