子どもにもっと食べ物のありがたみを感じてもらいたいんだけど…。どうしたらいいかしら?
家庭でもできることはたくさんあります!小さなことから少しずつ!できることを今すぐ始めてみましょう!
ごちそうさまをしたお皿を見ると、ごはん粒だらけ…。苦手な食材というわけではないのに残される食事…。このようなことがたまにではなく毎回続くと、子どもにもっと食べ物のありがたみを感じてもらいたい!と考えるのは当たり前ですよね。
本記事では食べ物のありがたみを子どもに感じてもらうために、保育士である私が家庭や園でやってきたことを紹介していきます。今すぐできることを実践し、子どもの食への興味・関心、感謝の気持ちを育みましょう!
ごちそうさまをした後、食べ残しゼロ!食器がピカピカ!な状態になるのも夢ではありませんよ。
子どもに食べ物のありがたみを伝えるために家庭でできること
大前提!親の価値観や姿で子どもは学んでいく
何よりも大切なことは、親であるあなたが食べ物を大切に扱っている姿を子どもに見せることです。
外食時にあなた自身が食べ残しをしている…。それはなかったとしても、冷蔵庫の中の食材を賞味期限切れや傷みなどの理由で毎回捨ててしまっている…。このような姿を子どもが見ている場合、以下のような考えが身についてしまうかもしれません。
- 食べ物は有限
- 与えられて当たり前
- いらないときは捨てればOK
子どもが上記のような考えを身につけないためにも、あなた自身が日頃から食べ物を大切に扱うよう心がけましょう!
- 食材は消費できる分だけ購入する
- 食材を無駄なく料理に使用する
- お米一粒一粒を丁寧に扱う
- 食べ物を食べるときはお皿がピカピカになるまで食べる
上記のような姿を子どもに見せ、さらに伝えていくことで十分に食べ物のありがたみを感じられるようになっていきますよ。
まずは、親であるあなた自身の姿を見直してみましょう!
低年齢のうちは楽しく完食できるようになることを目指す
低年齢のうちは、楽しく完食できるよう子どもに働きかけ、"残すのが当たり前"にならないようにしましょう!
そうはいっても、うちの子は好き嫌いが多くて…。完食するなんてとても無理です。
子どもに激しい好き嫌いがあると、「完食できる日なんてくるの…?」と途方に暮れてしまいますよね。
本当に毎日お疲れ様です!
好き嫌いがあるのは、あなたが悪いわけでも、子どもが悪いわけでもない場合がほとんどですので、気に病みすぎないでくださいね。
子どもの好き嫌いが多い場合は、完食するハードルを低くしてあげましょう!例えば、始めからお皿に盛る量を少なくしたり、たまには好きなものばかり出す日も作ったり…。
完食出来た日には、たくさん褒めてあげましょう!そうすることで完食する喜びを感じ、徐々に苦手なものも挑戦する姿が見られるようになっていきますよ♪
「子どもがごはんを食べない!保育士が園で行っている関わり方を紹介 」の記事では、ごはんを食べない子どもへの具体的な関わり方を紹介しています。
食べ物のありがたみを伝えるための3つの視点
子どもが年中・年長児ぐらいになったら、以下の3つの視点から食べ物のありがたみを伝えていきましょう。
食べ物のありがたみを伝える3つの視点
- 作る側の視点から伝える
- 食べられる側の視点から伝える
- 食べられない人々もいるという視点から伝える
今日からすぐに始められるものもありますよ!次項からはそれぞれの視点ごとに、伝える方法を具体的に紹介していきます。
小さなことから少しずつ!まずはできることから実行していきましょう♪
作る側の視点から伝える
食卓に並んでいる食材は、様々な人達が日々大変な作業をして育ててくださったものです。そのことを実感してもらうために家庭でできることを紹介していきます。
バケツ稲づくりに挑戦する
私が勤務している保育園では、毎年バケツ稲づくりを行っています。バケツ稲づくりとは、バケツの中で稲を育てることをいいます。
なかなか大変な作業をする必要があります。しかし、その分お米を収穫できた時には、日ごろお米を作ってくれている人への感謝の気持ちが芽生えるはずです。
実際に、バケツ稲でお米を収穫した後は、大人に言われなくてもごはん粒を丁寧に集める子どもの姿が多く見られるようになります。
私自身は家庭で行ったことはありませんが、庭やベランダでも行える作業であるとは思います。
大変でも稲作体験をしてみたい!という方はぜひ家庭でも挑戦してみてください♪
家庭菜園に挑戦する
バケツ稲づくりは無理でも、家庭菜園であればもう少し手軽に挑戦できます!特に夏野菜のプチトマトは、家庭菜園初心者の方でも失敗することがほとんどないため、おすすめです。
私も毎年夏になると、プランターでプチトマトやキュウリ、ナス、ピーマンなどを育てています♪
毎日水をやったり、脇芽を取ったり、虫がついていないか確認し、ついていたら除去したり…。そのような毎日の作業があって、食材が自分達の食卓に並んでいるのだということが理解できます。
家庭菜園の規模では、実際に出荷されている方々の大変さまで理解することは難しいかもしれません。それでも、食への関心が高まることは確かです!
苦手なものも食べられるようになる可能性大なので、ぜひ挑戦してみることをおすすめしますよ。
たまにはニュースを見る
あなたの家庭では、子どもがニュースを見る機会はありますか?見たことがない!という家庭は、たまにでいいので見てみることをおすすめします。
ニュースを見ていると、今年は暑さのため○○が不作だとか、台風で作物に被害が出たなどの情報が流れてきます。
それを見るだけでも、作る側の存在を意識することができます。また、食べ物は有限にあるわけではないということを理解し、食べ物のありがたみを感じられるでしょう。
我が家の娘はそのようなニュースを見て、「(今年不作の)りんご、私食べられるかな…?」と心配している姿が見られました。りんごは娘の大好物だったので特に気になったようです。
「もし食べられたときは、大切に食べようね!」と答えると、大きく頷いていました。
食べられる側の視点から伝える
食べられる側とは、牛や豚や鶏、さらには魚など…。私たちが食べるために命をいただく生き物達のことです。
自分たちが食べているものは"命あるもの"であるということを、しっかり子どもたちに伝えていきたいですね。そうすることで食べ物のありがたみも徐々に感じられるようになっていくでしょう。
「いただきます」の意味を伝える
「いただきます」の大切さを伝える際は、「いただきます」の意味も一緒に伝えましょう。
「いただきます」には、以下2つの意味があります。
中でも私は、上記1つ目の、命あるものへの感謝の気持ちについて、娘に以下のように伝えています。
肉や魚ばかりではなく、野菜や果物なども命あるものとして捉え、その命を「いただく」。
食材の命を、自分の命にさせて「いただく」。
私達がいつも何気なく使っている挨拶の言葉ですが、その意味を知るだけでも意識が少し変わってきますよね。
料理するところを見せたり、一緒に作ったりする
料理をするところを見せたり、一緒に料理をしたりすることで、食事で出されるものと食材もともとの姿を一致させていきましょう。
子どもたちは、食事で出されたものが、食材もともとの姿と一致していない場合が多々あります。
魚がその一例です。子どもたちの中には、魚が切り身の状態で海で泳いでいると思っている子がいる!このことが大問題だとして、一時期取り上げられていました。
そのような状態では、生き物から命をいただいているという感覚はなかなか身につきません。
我が家は娘が4歳の時、偶然ブリの解体ショーを見る機会がありました。
娘はその前に水族館で魚が泳いでいる姿も見ていたので、解体時には「かわいそう…。」といって手で顔を覆う姿も…。しかし、しばらくすればあっけらかんと魚を食べていましたよ。
子どもにとって、命をいただいているということを本当の意味で理解し、感じ取るのは難しいかもしれません。しかし、命を感じる経験をしているか、していないかの差は、食べ物への感謝の気持ちを育む上でとても大きいです。
料理に関わることで、少しずつその経験を積み上げていけるといいですね。
絵本を読む
食べることは、生き物の命をいただくことである。そのことを伝えてくれる絵本はたくさん出版されています。
絵本であれば、子ども達もとっつきやすく、親としても伝えやすいですよね♪
図書館で借りるなどして、ぜひお子さんと一緒に読んでみることをおすすめします!
「食への感謝の気持ちを育むおすすめ絵本!読んだ時の子どもの反応は? 」では、おすすめの絵本を紹介しているので、ぜひ確認してみてください。
食べられない人々もいるという視点から伝える
世界中には、食べるものがなくて困っている人々がいること、食べられるものがあることは幸せだということも、ぜひ伝えていきたいですね。
CMなどを見た時に伝える
世界中には、全くごはんを食べられない子がいる。そのことを伝えるCM、きっとだれもが見たことありますよね。私はそのようなCMを見た時に、「食べられるものがある自分たちは幸せだね」と口にすることがあります。
あえて、娘が食事の好き嫌いをしたときなどに「食べられない人もいるんだよ」というようなことは言いません。その理由は、
好き嫌いをしたときに伝えても、「うるさいな~」と思われるだけ。
食べ物のありがたみを感じるところまでには至らないから。
嫌味な伝え方はしない!食事時は「美味しいものが食べられて幸せだね~♪」と、喜び合うだけで十分です♪
一緒に調べてみる
調べることに関しては、娘が小学校にあがってから一緒に行ってみたいと思っていることです。
様々な国の食文化について書いた絵本はたくさんありますが、飢餓について書かれた絵本はあまり見かけません。子どもが世界の国々の食について興味を持ち始めたときに、「この国はどうなんだろうね?」と一緒に調べてみたいと考えています。
まとめ
子どもに食べ物のありがたみを伝える方法を、
- 作る側の視点
- 食べられる側の視点
- 食べられない人々もいるという視点
以上3つの視点からお伝えしました。
しかし、1番大切なことは、親であるあなた自身がその価値観を身につけ、態度や行動で示していくことです。これができているかどうか、まず普段の行動を振り返ってみましょう。
親も子どもと一緒に様々なことを経験し、食についてさらに学んでいく姿勢も大切にしていくといいですね。